思ったこと

似たようなことなのに感動したり鼻で笑ってしまうのはなぜ?

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先日の25日にこんなことがあった。

 

出勤するやいなや、同僚が開口一番に、

 

「プロフェッショナルって番組見てる?」

 

と興奮気味で話しかけてきた。

 

私は似たような番組とまぜこぜになってしまい

 

「見たことあるかもしれないけど、よくわからない。」

 

と答えたら、昨晩(10/24)放送された番組とのことだった。

 

私と同じく、美味しいものが大好きな同僚は、

 

「昨日の放送は美味しいパン屋さんを取り上げてて、とっても美味しそうだった!食べたい!」

 

と話し続けた。

 

そして、「久々に感動した!」と語り始めた。

 

「人によろこばれる仕事っていいよね!感動する!」

 

と興奮していた。

 

あれれ、、、

 

この同僚、以前このブログにも書いたけど、夢に向かって取り組んでいる人を笑っていたのに・・・。

 

以前は鼻で笑って、なぜこの番組では感動をしたのか?

 

それは単純な理由。

 

同僚のようなタイプの人は、ちょっとしたブランディングなどに流されやすいのかもしれない。

 

 

感情にうごかされた同僚

 

この同僚は、以前、人がよろこぶこんでくれる仕事に感動しOLを辞めて海外へ勉強しに行き、帰国後下積み後に金儲けばかり考えている経営者と意見が合わず退社し、一人で独立して生計をたてている友人のことを話したとき、鼻で笑ったのよね・・・。

 

なのに、どうしてこの番組では感動したの?

 

と思って、この番組内容を読んでなるほど、と納得した。

 

<h3放送内容

 

このパン屋さんは兵庫県西宮市にある『生瀬ヒュッテ』さん。

 

すべて電話予約受付で販売している。

 

数百回電話しても繋がらないらしい。

 

以前は大阪に店舗を構えていたとかで、その時から人気のパン屋さんだったとか。

 

日本国内のパンのコンテストで1位を受賞したこともあり、今でも新作のパン作りに精を出しているとか。

 

大阪でパン屋を営んでいた時の1日の労働時間は20時間で、朝4時に起きて夜中の12時までパン作りにはげんでいたとのこと。

 

人間の都合に合わせるのではなくて、パンに合わせて仕事するので20時間になってしまったとか。

 

パン作りには発酵が必要なので、パンに合わせた方がより美味しくなるだろうし、だからといって実践されているパン職人さんってめずらしいのかもしれない。

 

店主の竹内さんは、中学生時代からパン屋さんになるのが夢で、定時制高校に通いながらケーキ屋さんで修行をし、その時に貯めたお金でパンの専門学校へ通い、卒業後はパティスリー店で修行をし、その後独立。

 

現在、電話予約のみの完全予約制で販売することにした理由は、遠方からわざわざ来ていただいたのにパンが売り切れてしまうという事態を防ぎたいのと、住宅地にあるため、お客が押し寄せると近隣に迷惑がかかるから、それらを避けるためだそうだ。

 

大阪から兵庫へお店を移した理由は、金儲けになってしまったパン作りに疲れ、作りたいパンだけ作ることにし、新しい場所で初心に返りよりよいパンを作ろうと決意したから。

 

経営がマイナスにならなければいいとのこと。

 

感動を誘った

 

私は放送を見ていないけど、すべて感動を誘う内容だね。

 

日本人が好きそうな内容ばかり。

 

  • 金儲けではなく経営がマイナスにならなければいい
  • 初心に返ってよりよいパン作りを決意
  • 自分ではなくパンの都合に合わせて仕事する
  • 定時制高校に通いながら修行
  • 勤労学生時代に貯めたお金で学校へ通った
  • 遠方から来たお客が品切れでパンを買えないのが申し訳ない
  • 近隣に迷惑をかけたくないのでお客が押し寄せないように電話予約のみ(駐車場は12台のみ)
  • 2人で営業している

 

もしこれが、

 

  • 定時制高校でなく全日制の高校に通った
  • 親のお金でパンの専門学校へ通った
  • 近隣に迷惑をかけないように、近くにコインパーキングがある場所へ店を構えた
  • または、電車から徒歩数分の場所に構えた
  • 従業員を増やしたため品切れは少なくなった
  • パンの都合に合わせるけど交代制にしたので20時間も働く必要もない

 

だったら、同僚は感動しただろうか?

 

人は感情に流される

 

人は、苦労している、努力していると聞くと心が動かされる傾向がある。

 

特に、お金儲けしている人よりも、竹内さんのように経営がマイナスにさえならなければいい、よりよいものをつくりたい、と言われると、後者の方に惹かれて、前者が悪者のように思ってしまう人がいる。

 

私はお気に入りのパン屋さんが2件あって、その一つは地方にあり宅急便で販売をしている。

 

女性一人で営んでいるため、製造できるパンも限られている。

 

一度、雑誌に掲載されたことがあるけど、それ以降はお断りしているとのこと。

 

その理由は、メディアに掲載されると、お客が殺到することになり、それまで購入してくださっていたお客さんが買えなくなるから、とのこと。

 

メディアで紹介されると、その時にお客が押し寄せて顧客が離れていくこともある。

 

押し寄せたお客がフェードアウトしていき、以前の顧客も離れてしまった場合のことも経営者は考えているものだ。

 

『生瀬ヒュッテ』の竹内さんが、今回、NHKの取材を受けた理由は知る由もないけど、TVを見て全国から電話が殺到して、今までの顧客が買えなく可能性は大だ。

 

美味しいパンであれば人気はおとろえないだろうし、心配することなんてないのかもしれないけどね。

 

まとめ

 

人は感情に流される生き物である。

 

だから、商売やメディアでは、感情にうったえるマーケティング手法、エモーショナル・マーケティングが用いられている

 

そして、人はお金がほしいはずなのに、お金儲けに疲れたのでもうお金儲けはしない、と聞くとなぜだかいい人のように思ってしまう。

 

「経営がマイナスにならなければいい」という言葉は意気込みや気持ちであって、それでいいとは思っていらっしゃらないはず。

 

だって、妻子を養わなきゃいけないし、それなりに儲けは必要だ。

 

だから、TVを見て、赤字にならなければいいだなんて、、、と感動するのは単純だ。

 

また、同僚が私の友人については感動するどころか鼻で笑い、この番組で感動した理由は、内容と映像に感情が揺さぶられたからだ

 

メディアの中でも、ストーリー性のある映像は感情に影響を与えるから。

 

何気なく見ているTV番組や映画は感情を刺激されるし、感情が動かなかったとしても潜在意識にどんどん蓄積される。

 

結果、似たような内容なのに、感動したり鼻で笑ったりと反応がちがってくる。

 

同僚を通して、その反応をしっかりと見ることができた。

その同僚が鼻で笑ったことを書いた記事↓

yume-somurie.hatenablog.com